入院騒動<2>

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    9月11日

    末っ子の入院が決定し、一旦家に戻った私は、小学校と幼稚園からそれぞれ帰ってきた上の子二人に話をした。

     

    「末くんがね、最近ずっと吐いてて具合悪かったでしょ。

    だからちょっとの間、病院に入院して治してもらうことになったの」

     

    意外にも、兄の方が反発した。

     

    「入院なんてやだ!末くんがいないと嫌だ!!」

     

    すぐに帰ってくるからと説明しても

    「嫌だ!パパとママはそれでいいの!?パパもいいって言ったの!?」

    「末くん死んじゃうの…?」

     

    私だって末くんと離れるのは嫌だ。

    死んだりして堪るか…そんなことがあるはずはない。

    ちょっとお腹の調子が悪いから、回復のために入院するだけなんだから。

    自分の中の不安も打ち消すために否定する。

     

    兄はそっぽを向いて涙を拭うと

    「ママ、末くん本当に死なない…?兄太、末くんが大きくなったらいっぱい遊んであげる…」

    震える声でそう言った。

     

    そんなにショックを受けるとは思わなかった。

    まだ7歳の兄太が、こんなにも末っ子のことを大事に思っていてくれてたなんて。

    もう幼いだけの子供ではないんだな。

     

     

    一方4歳娘の方は「末くんにおもちゃを持って行ってあげる!」と

    入院荷物のバッグに張り切っておもちゃを詰めていた。

     

    どこまでわかっているのか不明だが、末くんのためにやってくれているのは確かだ。

     

    だが手当たり次第におもちゃを詰めまくっていくので、途中でストップをかけて、おもちゃは二品に減らした。

    持ち込む物は全て記名するように言われたので、末っ子の名前を書く。

     

    今は末っ子が使っているが、二つとも娘が産まれた時にお祝いで貰ったおもちゃだ。

    この先、この末っ子の名前が書き込まれたおもちゃを見る度に、入院のことを思い出すようになるんだろうなあ。

     

    兄妹を連れ、荷物を持って病院に向かう。

    末っ子の入院している小児病棟は、感染症を防ぐため15歳以下は立ち入り禁止になっている。

    入口前の廊下で待つように言うと、兄太は顔を歪めた。

    「兄太も末くんに会いたいのに!何で入れないの!!」

     

    入れないことは家を出る前から説明してあったし、本人も頭では理解しているのだろうが、それでも納得はしていない。

    入口の内側まで末くんを連れて来ることは出来るから、ガラス越しになら会えると説得し、廊下のソファに座っているように言い聞かせて私だけ中へ入る。

     

    病室へ行くと、末っ子はスヤスヤ寝ていた。

    看護師さんが「お腹空いてるみたいでずっと泣いてたんですけど、さっきミルクをあげたら機嫌直ってそのまま寝たんですよ」と教えてくれた。

     

    ミルク?

    何か点滴でミルクあげずに過ごしてお腹を休ませるとか言ってたけど…

    まあ泣きっぱなしも辛いだろうし、病院でちゃんと判断してやってくれてるから良いのかな…

     

    ちなみにミルクを飲んでも吐かなかったらしい。

    担当のお医者さんとも話したが「大丈夫そうですけどねえ…?」みたいな感じ。

     

    家では何度も吐いてたという話をしても「まあ赤ちゃんが吐き戻すのは普通ですからね」「とても元気ですよ」

     

    それでも、一応血液検査とかしてくれるらしく、数日入院になるのは確実とのことだった。

     

    夜に寂しがって泣くのではないかと心配だったので、付き添いで泊まれるか訊いてみたが

    「付き添いなら毎日24時間いてもらうことになる。外出も不可」

    「他のお子さんがいるなら面会だけにして、病院に任せてもらった方が良いと思いますよ」

    と言われて諦めた。

     

    昼間は家にいて上の子らの送り迎えをし、夫が帰宅したらこちらへ私だけ泊まりに来ようかと思ったのだが、そういうのは出来ないらしい。

     

    途中で末っ子が目を覚ましたので、廊下へ連れ出していいか尋ねてみる。

    構わないとのことだったので兄妹の待つ入口前まで抱いて行った。

     

    ガラスの扉越しに末っ子の元気そうな姿を見て、兄妹が嬉しそうにしたのも束の間

    兄太がまた半泣きで怒り出した。

     

    「末くんに触りたい!普通に会いたい!」

    「兄太も中に入りたいよ!!」

     

    何とか宥めて、末くんをベッドに戻す。

    兄妹を長く待たせてはおけない。

    末くんのことは心配だったが、病院に任せて今日は帰ることにした。

     

    最寄駅に着くと、もう時刻は6時近かった。

    私も疲れたし、兄太も落ち込んでいたので晩御飯はファミレスに行くことにした。

     

    兄太がメニューを見て、パフェ食べたい!と言い出したので「食事を残さず、兄妹喧嘩もせずにいられたら頼んで良い」と告げると彼のテンションは超回復した。

     

    兄「全部食べて喧嘩しなかったらパフェ食べれるってよ!妹ちゃん!!」

    妹「妹ちゃんこのパフェがいいー」

    兄「ダメ!!こっちのパフェ!!!(怒)

    私「喧嘩したら取らないからねー」

    兄「妹ちゃんッ!お兄ちゃんとこっちのパフェ食べよ!?」

    妹「えーこっちがいいー」

    兄「イチゴ妹ちゃんが食べていいから、こっちにしよ!!?」

    妹「うん」

     

    もう兄太は超ご機嫌で「ねえママ!末くんがいないからゆっくり食べられるね!!」とか言ってる。

    さっきまでの沈痛な面持ちはどこへ行ったんでしょうね?

     

    まあ落ち込んでても末くんの退院が早まるわけじゃないから、気楽に過ごせるならその方がいいんですけどね。

     

    家に戻り、子供たちを寝かせて一息吐いていると夫が帰ってきた。

     

    夫「末くんのことが心配で…ショックで…僕まで具合悪くなってきた…

     

     

    おい!!

    具合悪くなってる場合か!!!

    今それどころじゃねえぞ!!!

     

    私は末くんと兄妹の対応で手一杯だから、あんたのケアまでしてる余裕ないからな!!?

     

     

    末っ子の入院にすっかり意気消沈してしまった夫は、「もうゲームをする元気もない」「末くん大丈夫かなあ…泣いてないかなあ」と言いながら弱弱しく布団に入った。

     

    さて私の方はというと、勿論末くんのことが心配ではあるのだが

     

    末くんに飲まれず溜まりに溜まった母乳で乳がめちゃくちゃ痛いです。

     

    痛い!痛過ぎる!!

     

    爆発するぅぅぅ!!!!!!

     

    もう痛過ぎて眠れない。

    何度も起きて洗面所で乳を搾って捨てる。

    今まで搾乳って殆どしたことなかったから、搾乳機もないし搾り方のコツもわかってないし

    時間ばかりかかって大して出ないしもう痛い!辛い!!

     

    正直乳が痛過ぎるせいで純粋に末くんの心配をする余裕がない…!!

     

    子供の入院で乳が痛くなるのは盲点だった。

     

     

     

    9月12日

    今日は水曜日なので、本来なら上の子たちは二人とも普段より早く帰宅することになっているのだが、

    私が面会開始時間の10時に末くんの所へ行って、上の子の帰宅時間までに家に戻るとなると、病院には一時間もいられないことになる。

    流石に短い。

    仕方がないので、兄には学校敷地内の学童、妹には幼稚園の時間外保育に行ってもらうことにして、私は夕方まで末くんのそばにいることにした。

     

    夫も出社時間を遅らせて、自身の体調不良のために近所のクリニックへ行った後、一緒に末っ子の病院へ行くことになった。

     

    夫「末くん大丈夫かなあ。寂しがって泣いてるかなあ」

    私「一晩中泣いてたかも知れないね…」

     

    面会開始と同時に中へ入る。

    病室へ行ってみると、末くんは特に泣いたりはせず、一人でもぞもぞしていた。

     

    「末くん」と声を掛けて歩み寄ると、我々に気付いてニッコニコの笑顔になった。

    ええ…超可愛いんですけど…

    そして元気そうなんですけど…

     

    私は半日ぶり、夫は丸一日ぶりの再会に感激していると、看護師さんとお医者さんが現れた。

    末くんはレントゲンも尿検査も異常なし。

    吐いたのは昨晩一度だけで、月齢相応の吐き戻しに過ぎず、特に異常は見られないらしい。

    点滴はされたままだが、末くん本人も機嫌も良いし元気だ。

     

    末くんが心配で体調が悪くなっていた夫も「元気だし、病院も綺麗でちゃんと見てくれそうで安心!」と気力回復して出社して行った。

     

    末くんが寝かされているのは大きくて頑丈な、柵付きのベッドだ。大人が乗っても大丈夫なので、子供と一緒に寝ることも出来るらしい。

    ベッドに乗ってみる。

    末くんが笑顔で私の膝に這い上がってきた。左腕の点滴がずれないよう肘から先を固定されているので、動きづらそうにしているが、それでも元気によく動く。

    ニコニコしていたが、すぐに乳を求めて私の胸元を探り出し、私があげるのを躊躇っていると泣き始めた。

    胃腸休ませるために点滴してるんだし、ベッドの脇にはミルクをあげた時間と量の書かれた紙が置いてある。

    ちゃんと管理されているなら、勝手に飲ませたらまずいのではないか。

     

    私があやしていると、様子を見に来た看護師さんが「授乳してもいいですよ。あげるならカーテンしめて下さいねー」と声をかけてくれた。

     

    あげて良いならあげるか…

    正直乳も張りまくりで限界だ。

     

    カーテンを閉めて、いざ授乳。

    あーやっぱり飲んでもらうと楽ですねー。

    自力で絞るより圧倒的に楽に痛みなく大量の乳が出ていきますねー。

     

    痛みも治まってまったりしていると、末くんが吐いた。

     

    大した量ではなかったが、やはりあげてはまずかったかと焦る。

     

    家にいる時もそうだったが、本人は特に体調が悪そうな素振りもなく、吐いてすっきりしたのかそのまま寝てしまった。

    私が来たから安心して眠くなったのかな。やはり昨晩はあまり眠れなかったのかも知れない。

     

    吐いた物を拭いて、しばらく寝ている末くんの横でぼんやりしていたら、昼食が運ばれて来た。

    可愛い器に入った離乳食だ。

     

    事前に離乳食の進み具合を聞かれていて、私が「お粥、にんじん、じゃがいも、豆腐は食べられる」と答えたので、その通りの物が用意されている。

     

    末っ子が寝ているのを見ると、看護師さんは「一時間くらいは置いておけるので、目が覚めたら食べさせてあげて下さいね」と言ってお盆を置いて去って行った。

     

    再び寝ている末くんを見ながら、携帯をいじりつつぼんやり待機。

    そろそろ一時間が経ってしまう。

    せっかくお昼用意してくれたのに食べないと勿体ないな、と末くんをつついてみると、目を覚ました。

     

    「末くんおはよー。ごはんあるよ!少し食べようか?」

     

    抱きかかえてスプーンを口元にやるが、口を開けない。

    「どうしたの、美味しいよ?お腹空いてないかな?」

     

    野菜や豆腐も一匙ずつ差し出してみるが、頑として口を開けない。

    それでも勿体ないから一口くらいは…と、手で口を開けさせて食べさせてみた。

    一度口に入れば食べる気になるかも知れない。

     

    途端に吐いた。

    大量に吐いた。

     

    さっき飲んだ母乳まで出たようだ。

    シーツはビチャビチャだ。

     

    丁度食事を下げるために看護師さんが来たので、末っ子が吐いたことを伝えるが

    「あ、じゃあシーツ替えますねー」

    と事も無げな感じで応じて替えのシーツを取りに行った。

     

    吐き始めてから離乳食止めていたから、もう受け付けなくなってしまったのだろうか。

    無理に食べさせるんじゃなかった。

     

    新しいシーツの上で、再び眠りに落ちる末っ子。

    その後は私がいる間は寝たまま起きなかった。これ私がいる意味あるのだろうか。

    そのまま帰宅時間になったので病室を後にした。

     

    幼稚園と小学校を巡り、子供たちを連れ帰る。

    今朝、私が末くんのお見舞いに行くために学童に行ってて欲しいと頼むと、兄太は自分を置いて母だけ病院へ行くことにかなり怒っていた。

    何とか機嫌を直して貰おうと「じゃあ帰りにお菓子買ってあげる!」とか「帰ったらYouTube見ていいよ!」とか言う私に、兄太が出した交換条件があった。

     

    「ママ!帰りにポケモンガオーレやらせてくれるんでしょ!?」

     

    そう、近所のスーパーにあるポケモンガオーレ。

    これをやらせる約束になっていた。

    普段は兄太がやりたがってもはぐらかしていたのだが、今日は仕方ない。

     

    兄太は末くんに会えないことをぶつぶつ言ってはいたが、ポケモンガオーレが出来ることに大喜び。

    スーパーに着くと、一目散に筐体の元へ駆け寄った。

     

    兄太は妹と一緒にやる気満々だったが、妹の方はすぐ近くにあったアイカツの筐体に吸い寄せられた。

    妹にもやらせてポケモンディスクを二人分手に入れられると目論んでいた兄は、必死で妹を呼び戻そうとしたが、妹はアイカツ筐体に張り付いて動かない。

    「妹ちゃんっ!ポケモンやるんだよ!」と怒り出す兄を

    「妹ちゃんはアイカツが良いんだって。好きにやらせてあげな」と諌めて、私は両替機に千円札を差し込んだ。

     

    いやあ…私こういうゲームしたことなかったから知らなかったけど、結構お金かかるのなこれ…

     

    1プレイ百円だけど、ポケモンとかコスチュームとかをゲットするためにもう百円必要で、それをゲットすると「これもあるよ!次はこれだよ!欲しかったらもう百円入れてね!」とどんどん新しいのを見せてきて際限がない。

    しかもアイカツは名前を決めたりカードをデコったりで1プレイに結構時間がかかるが、息子のポケモンの方はボタン連打であっという間に終わる。

    娘のアイカツが一回終わるまでに、息子を待たせるためにポケモンに六百円も使ってしまった。

    子供たちは大喜びだが、これそんな頻繁にはやらせられないわ…

     

     

    9月13日

    せっかく上の子らを預けて長時間付き添っても、本人が寝ていたのでは意味が薄い。

    今日は特に延長保育等は頼まず、子供らが帰宅するまでの時間で病院に顔を出すことにした。

     

    末っ子は病院では殆ど吐いていないらしい。

    もう点滴も外れて、末っ子はベッドの上で元気一杯だ。

    担当医師も「検査をしたがどこも悪い所はない」「一度夜に吐いたが、この月齢なら普通のこと」と言う。

     

    それでも少し不安のあった私が「私が来ている時に二回吐いた」「離乳食をあげたら吐いた」と話すも、

    「少しくらい吐くのは普通で問題ない」「離乳食は進めないと。食べさせて大丈夫です」とのことだった。

     

    そうか…気にすることではないのか。

     

    「元気もありますし、今夜問題なければ明日退院にしましょう」

     

    元気があるならすぐにでも帰って来てほしい。

    ホッとした。

    正直、この病院通いが何日も続くと辛い。

     

    今日の付き添いはこれだけで終わりにしようとしたのだが、用意していたタオルが足りなくなってしまったので、夕方また子供たちを連れてもう一度来ることになった。

     

    帰宅した兄妹と共に再び来院し、末っ子と少し戯れ、用を済ませて兄妹の所へ戻る。

    「お待たせー」と声を掛けると、兄がじっと私の顔を見て言った。

     

    「ママ。お見舞いに来るのはいいけど、兄太のこともちゃんと考えてね」

     

    ギョッとした。

    末くんの入院で、子供たちに負担を強いてしまっていたのか。

    末くんばかり気にかけて、上二人のことがお留守になっていたのか。

     

    「兄太たちは中に入れないのに来るの、嫌だし疲れるよ!兄太だって末くんに会いたいのに、待ってるの嫌だよ!!」

     

    あ、そういう方向のやつね!

    寂しいとかじゃなくてね!!

     

    ごめんごめんと言いつつ、少しホッとする。

    もうすぐ退院出来るからね、付いて来てくれてありがとう、と言うと

     

    「またポケモンガオーレやらせてくれるならいいけど」

     

     

    ガオーレは今日はやらねーよ!!!

     

    あんなお金かかるもの連日出来るか!

    親の足元を見るな!!

     

    お菓子ならいいよと言うも、ガオーレがいいと粘り続ける兄。

    結局「わがまま言うならお菓子もなしだよ!!」と私に逆切れされて、兄はお菓子で妥協することになった。

     

    預けるのも連れて来るのも疲れるな…

    まあでも明日で退院だ。何事もなければ。

     

    もし夜の間に何かあって入院が伸びたらどうしようかと、ハラハラしながら過ごしたが、結局何事もなく夜は開け、翌日無事に退院になった。

     

    気が付けば、最初の二日間は痛いほど張っていた乳が、殆ど痛まなくなっていた。

    明らかに供給量が減っている。

    まあ末っ子と生活してれば、じきに元通りになるだろう。

     

    帰宅した末っ子は、入院生活で良くも悪くも刺激を受けたせいか、発達がグッと進んだ感があった。

    ベビージムの前で座り込み、吊るされたおもちゃを手で触って遊んでいる。

    入院前も仰向けに寝そべった状態で手を伸ばしてはいたが、以前よりもはっきりと意志を持って「遊ぶために触っている」という感じがする。

     

    吐くことが全くなくなったわけではないが、まあどこも悪いところはないらしいし、元気はあるし機嫌も良いし、赤ちゃんが少しくらい吐くのは普通のことらしいから、気にすることはないのかな。

     

    久しぶりの一家団欒だ。

     

    これで元通りだ。

     

    そう思っていた。

     

     

     

     

     

     

     

    JUGEMテーマ:育児


    入院騒動<1>

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      ※最初に言っておきますが、現在末っ子は家で元気に過ごしております。ご安心下さい。

       

       

      2018年9月6日早朝

       

      ドタッという落下音と、それに続く末っ子の泣き声で私は飛び起きた。

      「末くんが落ちた!」

      夫に向けて言いながら、ベッドの下を覗き込む。

       

      間もなく生後6ヶ月になる末っ子は、床の上でわあわあ泣いていた。

       

       

      我が家の寝室は、ダブルベッドと柵付きのシングルベッドをくっ付けて並べて使っている。

      左右と頭上は壁とシングルベッドの柵で完全に塞がれており、開いているのはダブルベッドの足元だけ。

      末っ子はそこから落ちたのだ。

       

      慌てて抱き上げて夫と二人がかりであやすが、末っ子は泣き止まない。

      どんなに泣いてる時でも、いつも授乳すれば収まるのだが、それでも落ち着く気配がない。

      乳を咥えようとはするのだが、すぐに口を離してしまう。ゲボゲボと咳込むような音をさせながら。

       

      どうも様子がおかしい。

      …落ちた拍子に頭でも打ったのだろうか?

       

      そんな不安がよぎり始めた矢先、末っ子が突然吐いた。

       

      ベッドから落ちて…吐いた?

      頭を打った!?

      頭打って吐くのってやばいんだよね!!?

       

      どうしよう?どうしたらいいのこれ!?と焦ったが、とにかく汚れたままにしておくわけにはいかない。

      吐いた物を拭き取り、びちゃびちゃになった服を着替えさせる。

       

      「どうしよう、救急車とか呼んだ方がいいのかな」

      おろおろしながら夫に問うてみたが、自分でも半信半疑だった。

       

      吐いたのは泣いてるところに無理に飲ませたからかも知れない。

      些細なことで救急車なんか呼んだら迷惑だ。

      よく聞くのは、頭を打った後に意識がないとやばいってやつ。末っ子は意識はある。

       

      迷っていると、末っ子が再び吐いた。

      急いでタオルを取りに行って戻ると、夫が「大丈夫そうだよ。眠そうにしてる。吐いてすっきりしたんじゃないの?」

      そう言って微笑まし気に末っ子を抱きかかえていた。

       

      確かに眠そうだ。

      欠伸をして、とろんと半目になってウトウトし出していた。

       

      私は逆に不安が増した。

       

      頭打って欠伸するのってやばいんじゃなかった?

      本当に眠いの?意識が混濁してるんじゃないの??

       

      それでも救急車を呼ぶのは躊躇われた。

      病院に自分で連れていく?だが現在時刻は6時半。まだ病院が開くまでには時間がある。

      待つか…?でも一刻を争う状況だったら?いやいや、私の考え過ぎかも。

       

      …そうだ。救急相談の電話だ。

      救急車呼ぶか判断に迷った時にかけるやつ。

       

      末っ子を夫に任せ、番号を調べて電話をかける。

      混み合っているらしく、なかなか繋がらない。

      おいおい、繋がらなかったら救急相談の意味ないじゃん。どうなのこれ。

      何度かかけなおしたが繋がらず、諦めて今度は夜間診療を調べる。

       

      電話をかけると、こちらは繋がった。

      応対に出た相手に「赤ん坊がベッドから落ちて吐いたんですが…」と話してみるも、『はあ』と言うだけで「すぐに来て下さい」とか「救急車を呼びなさい」とかいう話になる気配はない。やはり私が大袈裟なだけなのだろうか。

      「今からそちらに行ってもいいでしょうか?」と訊いてみると、『来てもらっても構いませんが、混んでいるのでかなり待つことになりますよ。救急車は?迷うなら救急相談に電話してみて下さい』

      「かけたんですが繋がらなかったので」『根気よくかけ続けて下さい。繋がりますから』

       

      行っても一時間くらい待たされるらしい。電話を切り、もう一度救急相談にかけてみる。

      今度は繋がった。

       

      状況を伝えると『こちらでは判断出来ないので、救急車を呼んで下さい』と言われる。

      ん?判断出来ないって何?

      そこを判断するための救急相談なんじゃないの??

       

      結局判断を投げられて電話終了。

      救急車なんて呼んだことない…本当に呼んでいいのだろうか?

      大したことないのに呼び付けて、迷惑にならないだろうか??

       

      迷っていると、夫に「僕はそんなに気にすることないと思うけど、まあちゃんが心配なんだったら呼んだ方がいいんじゃない」と言われる。

      やっぱり大したことないのかな…

      私が大袈裟なだけなのかな…

       

      とりあえず119番にかけよう。そこで「必要ないですよ」って言われるかも知れないし。

       

      恐る恐るかけてみると、第一声で『消防ですか。救急ですか』と訊かれた。

      「え、あ、救急です」『どうしました?』「あの、赤ん坊がベッドから落ちて吐きました」『ご住所とお名前をお願いします』「あ、えと、〇〇市××区…」

      問われるままに答える。言い終えると同時に相手が告げた。

      『今救急車を向かわせました。10分ほどで到着しますので、家の前に出て案内をお願いします。』

       

      えっ!

       

      うそっ、本当に救急車呼んじゃった…

      考えてみたら救急の電話で、呼ぶ必要があるかどうかなんてのんびりジャッジしてくれるわけがない。

      えっ、本当に救急車来ちゃうの!?どうしよう!!

       

      とりあえずもう来ることは決まってしまった。

      慌てて着替える。

      何持ってけばいい?そうだ、救急車に乗って着いたら保険証なくて治療費が高額にとか、財布忘れて帰れないとか聞いたことあるぞ。

      保険証と財布だ!!

       

      どうしよう、担架とかで運ばれて行くのかな…邪魔になりそうな物をどけないと…

       

      その辺の物を片付けていると、救急車のサイレンが聞こえてきた。

      ああ、本当に来た。

       

      マンションのすぐ前まで来たので、案内のために外に出ると、救急隊員が下りてくるところだった。

      「栗原さんですか?」「そうです。…こっちです」

      部屋の方を示すと、不思議そうに「乗らないんですか?」と訊かれた。

       

      別に担架で部屋まで来て連れて行くわけではないらしい。自分で乗るんだ?

       

      慌てて部屋に取って返し、抱っこ紐で末っ子を抱いて救急車に乗り込む。

      すぐに出発するのかと思ったら、止めたまま中で話を聞かれた。

      救「赤ちゃんが落ちたんですか?どういう状況ですか?」

      私「ベッドから落ちて、直後に二回吐きました。それで、欠伸をして眠そうにしたので意識が朦朧としてるんじゃないかと…」

      救「そうですか…。…元気そうですけどねえ?」

       

      末っ子を見ると、確かにさっきまでの眠そうな様子はなく、目をぱっちり開けている。

      救急車の中で救急隊員に覗き込まれているという状況に緊張してか、普段より大人しくじっとしてはいるが、体調が悪そうな感じはない。

       

      救「ベビーベッドから落ちたんですか?」

      私「いえ、大人用のベッドです…一緒に寝てるので」

      救「大人用?じゃ高さはこんなもんですよね」

       

      救急隊員が、手で膝くらいまでの高さを示す。確かにそれくらいの高さだ。

       

      隊員二名は、明らかに「大した事ないなこれは」という空気になった。

       

      救1「お母さんは頭が心配なんですよね?」

      救2「えー5ヶ月の男の赤ちゃんが落下。はい、お母さんが心配してるので搬送します…はい」

      救1「今ね、受け入れ先の病院を探してます。赤ちゃんのCT撮れる所がね…○○病院になるかと思うんですが」

       

      ああもう…心配性の大袈裟なお母さんだこれ…

      迷惑大騒ぎ母さんだ…

       

      いやでも吐いたのは事実だし、欠伸もウトウトしてたのもやっぱり心配だもんな。

      CT撮ってちゃんと診てもらった方がいい。

       

      救急隊員たちの平和そうな空気で、少し落ち着きを取り戻した私は、末っ子の替えのオムツを持っていないことに気付いた。

      まだ出発はしなさそうだったので、オムツを取りに行かせてもらうことに。

      急いでオムツポーチを掴んで戻ると、受け入れ先の病院が決まったそうですぐに出発することになった。

       

      サイレンを鳴らして救急車が走り出す。

       

      末っ子は相変わらず大人しく寝そべって、私の顔を見つめたり車内を見回したりしている。

      こんなに大人しく横になっているのは珍しい。やはり具合が悪いのだろうか。また不安になってきた。

       

      しばらく走って、病院に到着した。

      救急隊員に促され、末っ子を抱いて病院の中へ入る。

      「おっ、随分可愛いお客さんだねえ」

       

      想像に反して、中は和やかな雰囲気だった。

       

      大したことのない急患だからか、親の私を落ち着かせようとしているのか、皆ニコニコしながら可愛い可愛いと持て囃してくれる。

      「じゃCT撮りますからね。お母さんは廊下で待ってて下さい(^^)」

       

      大袈裟に騒いで、大したことないのに救急車呼んでしまった人騒がせな母親ですよ。完全に。

       

      やや萎縮しながら、それでもやっぱり心配な気持ちもありつつ廊下で待機。

      末っ子はやたらと大人しくされるがままになっていたが、検査終了間際に少し泣いた。

       

      CTが済んでから、ベッドの並べられた臨時の病室的なところに連れて行かれ、結果が出るまで待機。

      少ししてから先ほどCTを撮ってくれた医師が来て、何の異常もないこと、赤ちゃんが落ちて吐くのは珍しくないということを告げた。

       

      医「大丈夫だとは思いますが、それでも嘔吐が頻繁に続いたり、様子がおかしいようならまた連絡下さい。まあ元気だし、大丈夫だと思いますけどね(^^)」

       

      ただ、病院的には異常がなかったことよりも「赤ん坊が転落するような生活をしている」ということの方が気にかかったようだった。

      「大人用のベッドで一緒に寝てるんですか?寝返り打つようになったから落ちちゃったのかな」と訊かれる。

      左右と頭上には壁と柵があること、足元まで移動して落ちたこと、夫婦の間に寝かせているのでそんなに真下にゴロゴロ寝返りして行けるスペースはない、自分で這って行ったのかも知れないことを伝えると「そうですか…じゃあ結構動くんですね。大変ですねえ」と言われる。

      横にごろっと一回転寝返りしただけで落ちるような環境を想像されていたらしい。

      「家庭環境が危険だったり問題があるようなら、保健師さんに訪問してもらったりもするんですが…大丈夫そうですかね。大丈夫そうですね。では、お大事にして下さい」

       

      お礼を言って病室を出る。

      取り越し苦労だったが、何も異常がないことがわかって安心した。

      会計は小児医療証のおかげで無料。ありがたい話ですよ本当に。

       

      会計を待っている間にまた末っ子が吐いたが、今問題ないと言われたばかりだし、特に気にしなかった。

       

      帰宅したのが8時過ぎ。この日はそれっきり末っ子も吐かなかったので、この件はこれで終わった。

      そう思っていた。

       

       

       

      9月7日

      午後3時前。

      小学校から帰ってくる長男を、途中まで迎えに行った。

      家に着いてベビーカーに乗せていた末っ子を抱き上げた途端に、吐いた。

       

      あれ、どうしたんだろう。抱き上げる時にお腹を圧迫しちゃったのかな。

      頭は昨日問題ないって言われてるもんな。

       

      様子を見たが、末っ子はいつも通り元気でご機嫌だ。

      私はそんなに気にもせず、長男の習い事に行くために子供たちを連れて家を出た。

       

      帰宅したのが夜6時頃。

      ベビーカーから抱き上げた時、再び末っ子が吐いた。

      またこのタイミングか。抱き上げ方が悪いのかな。

       

      夜8時過ぎ。

      授乳した後、大人しくしてると思ったらまた嘔吐。

       

      頭が問題ないなら、もしかしてお腹の風邪とかなんだろうか?

      そういえば軽く咳もしている。

      体温を計ってみたが熱はない。

       

      明日は土曜日か…

      かかりつけの病院は休みだ。

      近所の、土曜にもやってる他の小児科へ行ってみよう。

       

       

      9月8日

      上の子二人を夫に任せ、近所の小児科へ。

      待っている間に末っ子がお腹を空かせて泣き出した。

      飲ませると吐きそうで心配なのだが、空腹のままでも可哀想だ。様子を見ながら、ミルクを飲ませる。

      50ccほど飲んだところで、吐いた。

      お腹が再び空っぽになってしまった末っ子は、ミルクを求めて泣き喚く。

      しかし飲ませると吐いてしまうのではどうしようもない。

      トイレで着替えさせ、抱っこであやしながら誤魔化して待つ。

       

      ようやく診察室へ入ると、「木曜日から吐いていたのに今まで病院に来なかった」ということを不審がられ「普通はもっと早く来る」「今日土曜日よ?ねえ…木曜から吐いてたのに…」とネチネチ責められる。

      木曜からの経緯を話しても「CTで問題ないと言われたのなら、その時点で他の病気を疑って受診すべきでしょ」「土曜よ…木曜から吐いてるのに…今日土曜…ええ…うわあ…」

       

      挙句に末っ子の体重が軽めなことに関しても「異常だわ…異常よ…この体重は駄目よ…」

       

      軽めではあるが成長曲線の中には入っている。

      あまりに異常だと言われるので「普段かかってる病院では問題ないと言われてます」と言ったらピタリと黙った。

      黙っちゃうのかよ。信念を持って異常呼ばわりしてたんじゃなくて、単に絡んでただけなのか?

       

      この小児科は長男の時に何度か通ったんだが、どうも感じ悪いんで他へ移ったんだよな…

       

      だが不思議なことに、ここの評判で悪い話は聞いたことがない。

      私がとにかくここと相性が悪いらしい。

      受付も医師も何か感じ悪いんだよな…

       

      ちなみに私が普段行ってるかかりつけの方の小児科は、他のお母さんには「受付が不愛想」とかで評判が悪い。

      そっちでは私は不愛想な対応と感じたことはないんだが。本当に相性の問題なのかも知れない。

       

      医師はいまだに「木曜からねえ…」とブツブツ言っていたが、とりあえず吐き気止めの座薬をその場で入れてくれた。

      飲み薬も処方された。

       

      ちなみに嘔吐の原因は「吐き気」らしい。

      まあそりゃ吐き気はあるわな。吐いてるからな。

       

      釈然としなかったが、とりあえず診察終わり。

      もうぜってえ来ねえ!ここにはぜってえ来ねえぞ!!

       

      帰りがけに薬局で処方箋を出すと、吐き気止めの飲み薬と座薬が5日分出た。

      薬剤師「全部飲まなくても、途中で治っちゃうと思いますけどね。症状が治まったらもう飲まなくていいですよ」

       

      これで安心だ。飲めばすぐに吐き気も治まるだろう。

      私は安心した。

       

       

      だが、この後も末っ子は吐き続けた。

       

       

      9月11日

      薬を飲めば治るんじゃないか、座薬を入れれば治るんじゃないか。

      薬は5日分出てるから、数日は吐き続けるのも想定の範囲内なのではないか。

       

      相変わらず末っ子は元気はあるしご機嫌だ。

      ただ、嘔吐が治まらない。

      流石に不安になってきた。

       

      再びCTを撮ってもらった病院へ行くべきか?

      それとも、近所のかかりつけの方の小児科へ行くべきか?

       

      迷った末、とりあえずかかりつけに行くことにした。

      CTの病院は少し遠いというのもあったし、かかりつけの先生に現状を把握してもらっていた方が、今後も通うためにも良いのではないかと思ったからだ。

       

      診療開始時刻の朝9時に小児科へ。診察室へ入り、経緯を説明すると先生の顔が真剣になった。

      いつもにこやかな先生も、看護師も、表情が固くなっている。

      「CTを撮った病院に行って、詳しく診てもらった方がいいね。お母さん、今から行ける?紹介状書きますからね」

      「まずもう一度脳を診てもらって、その後ちゃんと小児科でも診てもらえるようにしておくからね」

       

      しょ、紹介状…?

      え、いつも通りにこにこしながら診てくれると思ったのに、何この緊迫感?

      看護師さんが目を合わせてくれない…いつも笑顔で子供に話しかけてくれてるのに…

       

      え、何?もしかして大変なことなの?

      だってCT問題ないって…え???

       

      混乱しながら、言われるままに小児科を出てCTを撮ってくれた総合病院へ。

       

      受付で紹介状を出すと、脳外科で待つように言われる。

      ここでしばらく待機。

      そろそろ呼ばれそうかな…と思っていると、受付の人に「栗原さん」と呼ばれた。

      「今先生に紹介状を確認してもらったのですが、脳震盪で吐いているにしては期間が長いので、脳ではないだろうとのことでした。それで、先に小児科を受診してもらった方が良いそうです。もしそれで何も問題ないようなら、また改めて脳外科で診ます」

       

      そうか…やっぱり脳は関係なさそうなのか。少し安心。

       

      小児科の受付へ案内され、そこでまた少し待機。

      こちらは脳外科ほど混んでおらず、じきに診察室へ呼ばれた。

       

      木曜からの経緯を改めて説明し、診察。

      「元気そうだねー。何で吐いてるんだろうね?お腹のレントゲン撮ってみましょうか」

       

      レントゲン室へ連れて行かれ、私は廊下で待機。

      末っ子はわあわあ泣いた。

      「はい終わりましたー。お母さん、ぎゅっと抱っこして安心させてあげてねー」

       

      抱っこしてまた少し待合室で待機し、診察室へ呼ばれる。

       

      医「気管支が白く写ってますね。軽い風邪だね。あと、腸が空気でパンパンだね。空気をいっぱい飲んじゃって、上手く排気出来なくて吐いちゃうんじゃないかな」

       

      レントゲン写真を示しながら説明される。素人目にも、腸がパンパンになっているのがわかった。

      げっぷが下手すぎて吐いちゃってるみたいな感じなのかな?

      新生児の頃はよくあったけど、もう何ヶ月もそんなことなかったのに…

      風邪で体調狂っちゃったのかな…?

       

      医「でね、お母さん。薬出してお家で様子見ても良いんだけど、それだと結構治るまでかかっちゃうと思うんだよね。入院して、点滴で胃腸を休ませてあげた方が早く治ると思うんだけど、どうですか。まあ三、四日くらいかな」

       

      えっ

       

      入院…!?

       

      考えたこともなかった。私の子供が…入院…??

      上の子二人は大病もせず健康に育ってきたし、私自身も今まで入院なんて出産の時しかしたことがない。

      いやそれを言ったら最初に救急車を呼んだ時点でもう初めてのことだったんだけど…ええっ…入院…

       

      驚いて固まっていると、医師が黙ってこっちを見ているのに気付いた。

      あ、私の返答待ちだ。

      私が首を縦に振らないと、入院には出来ないんだ。

       

      躊躇いはしたが、家で吐いて泣いていた末っ子のことを思い出すと、拒否する気にはなれなかった。

      点滴で早く治るのなら、その方が良い。

       

      私「…お願いします」

      医「わかりました。おーい、入院になるからお願い。点滴してあげて」

      医師が奥の看護師に声を掛ける。

      医「じゃ、準備しますから待合室でお待ち下さい」

       

      また待合室に戻り、呼ばれるのを待つ。

       

      腕の中の我が子を、ぼんやりと見つめていたら診察室とは違う部屋に呼ばれた。

      服を脱がせて体重を計り、「では点滴をしますから、お母さんは出ていてくださいね」と、また待合室へ。

      再び呼ばれて入ると、末っ子は腕に針を固定されて泣いていた。

      痛いのかな…痛いよね… おお、末っ子…

       

      そのまま病室に案内され、持ち物や書類などの説明を受ける。

      ふと気付くと、もう午後1時だった。

      上の子二人の帰宅時間になってしまう。帰らなくては。

      夕方に入院の荷物を持ってもう一度来ることにし、一旦帰宅した。

      末っ子は普通にベッドで寛いでいた。

       

      子供が入院している生活というのがどういうものなのか、この時はまだ想像が付かなかった。


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                         【広告】                    

      栗原まれんど

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